「運送会社は“人”が資本」という言葉からも分かる通り、流通に関わる業界は、ドライバーや内勤として働く従業員の厚さや質が特に重要です。
人材不足に悩まされることが多い昨今、自分の会社がどんな人材を欲しているかだけではなく、求職者がどんな運送会社を求めているかについて考える必要があるでしょう。
今回は、運送会社の求人に応募してくる人は、何を見てどんな基準で企業選びをしているのか、幅広く解説します。
<目次>
求職者の多くは、まず求人情報サイトを見ている!
求職者の多くは、まず求人情報サイトを閲覧します。求人サイトにはどのような種類のものがあるのか、理解しましょう。
大手求人サイト
就職サイトや転職エージェントなど、大手の求人サイトです。求人情報の掲載数が多いため求職者にとっても使いやすく、多くの会社を比較・検討できます。
利用する企業にとっても、閲覧者数が多くなったり、応募や採用が増えたりするメリットがあります。
反対に、掲載料や採用した際のバックなどが必要になるケースが多く、コスト面で負担になる場合がありますので、必ず見積もりを立てた上で依頼します。
運送会社への転職に特化したサイト
運送会社への転職に特化し、ドライバーが企業検索しやすいようになっている求人サイトです。
保有しているトラックの種類、長距離か中距離か、どんな荷種を扱うかなど、細かく絞り込みをかけて検索できるようになっていますので、
似たような会社同士で給与や待遇を比較しやすくなっています。
最初からドライバーに興味がある層をピンポイントでターゲットにしているため、採用後のミスマッチが起きにくいというメリットも得られます。
自社ホームページ上の求人情報ページ
運送会社が個別に保有している自社ホームページ上に求人情報を掲載する方法です。
仲介会社を挟まないため最も低コストで運用でき、マージンや利用料もかからないのがメリットです。
一方で、応募者の管理や面接の日程組み、求人情報の更新など、細々したことも全て自社で行う必要がありますので、対応する人材リソースを確保しておきましょう。
応募前に口コミを調べる求職者が多い!
求職者の多くは、気になる求人を見つけてもすぐに応募しません。検索エンジンで企業名を検索し、口コミを見て判断することがほとんどです。
転職口コミサイト
もともとその企業で働いていた人や、今その企業で働いている人から口コミを集めるサイトです。
実際に入社してみないと分からない内情や、求人票と実情のズレを知ることができるため、転職者にとって大きなモノサシになっています。
ここで良い口コミが多ければ応募者数が増え、逆に悪い口コミが多ければ、興味を持ってもらったとしても応募につながらない、ということも発生します。
ユーザー口コミサイト
実際にその運送会社を使用したユーザーによる口コミを集めるサイトです。転職者向けではないので企業の内情や裏話は分かりませんが、
どんなサービスを提供しているのか、市場にどう受け入れられているのかを調べられます。
「時間通りに配達してくれない」「ドライバーの態度が悪い」などネガティブな口コミが多い場合、自ずとドライバーの教育環境や労働条件に無理が発生していることが分かります。
Googleの口コミ欄
Googleで検索した際、マップ情報と合致する形で企業名が表示される場合があります。
ここにも口コミ欄のリンクが貼られていますので、チェックしている求職者も少なくないでしょう。
口コミ数自体は他のサイトと比較して少ないという特徴がありますが、会員登録せずとも誰でも書き込みやすく
閲覧しやすいページであるため、生の声が集まりやすい場所でもあります。
運送会社の採用担当者がやるべきこと
上記のように、求職者の多くは「求人票」と「口コミ」を両方チェックしてから応募の可否を判断する傾向が強くなっています。
このような背景には、働き方改革の施行に伴い福利厚生やワークライフバランスを重視する求職者が増えたことに加え、
高収入が期待できると言われている運送会社において待遇面でのミスマッチが致命的であるということが挙げられます。
では実際に、応募者数を増やすためにできる施策について考えて行きましょう。
求人票の内容を精査する
まず行うべきは、求人票に嘘偽りない正確な情報を載せることです。
求人票に記載されている内容から条件が変更されたり、面接で聞いていない業務内容を後から依頼されたりすることにより、
口コミサイトにマイナスの情報を投稿されてしまう恐れもありますので、十分注意しておきましょう。
マイナスの口コミをチェックする
次に、マイナスの口コミをチェックし、入社前に求職者の不安を解消できるようにしましょう。 ほとんどの口コミサイトでは、企業が直接サイトに依頼して掲載情報を削除してもらうことができません。 そのため、掲載されてしまった内容については諦める他ないのが実情です。
しかし、実際に応募をしてくれた求職者1人1人に親身な対応を心掛け、 口コミサイトで掲載されているようなネガティブなイメージや不安要素を、早い段階で払拭することが重要です。
「事前にしっかり話をしてくれた」「オリエンテーションの時間を多めに取ってくれた」という印象を与えられれば、 万が一不採用や早期退職になった場合でも、企業そのもののイメージを損ねずに済むでしょう。
【まとめ】求職者は、求人情報だけを鵜呑みにしていない!
求職者は、求人情報だけを鵜呑みにせず、複数のサイトから情報収集してから応募企業を判断するのが一般的になってきています。 自社が市場からどのような評判を受けているのか定期的にチェックし、企業イメージの向上や社内体制の向上に努めていきましょう。
企業にとっても求職者にとっても実のある内定が出せるよう、工夫するのがポイントです。