トラックドライバーを目指す際にどんな基準で仕事を探しますか?長距離便の大型か地場配送の小型か...と考える方は多いのですが、どれも青ナンバーの運送事業者で働くことを前提に考えることが多いと思います。そこで今回は白ナンバーのトラックドライバーとしての働き方を、代表的な業種別にピックアップします。

<目次>


青ナンバーと白ナンバーの違いって?

トラックドライバーとして働くのならナンバーの色って関係ないのではないかと思いの方も多いでしょう。青ナンバーと白ナンバーの違いは大まかに「他社の荷物を運んで運賃を得ているか、自社のものを運んでいるか」の違いがあります。
まず青ナンバーは5台以上の貨物自動車を有している、いわゆる運送業者です。運送業者は繁忙期には高額な賃金を得られるというメリットがある半面、デメリットは荷主や業界の景気によっては運賃が引き下げられることもあり仕事がなくなる可能性もあります。日給制を取り入れる運送業者も多いため多少リスキーなのは否めません。
青ナンバーに対して白ナンバーは自社で生産した製品などを運ぶ貨物自動車のことで、トラックを所有する企業に所属し、生産者として雇用されているため運賃に左右される心配はありません。賃金や年間休日もおおむね他の生産社員と同様の待遇である場合が多いため、長期間にわたり安定して働く事ができます。
繁忙期だから稼げるということはあまりありませんが、その企業が儲かっている場合はボーナスなどで跳ね返ってきます。またなにかあった場合にはドライバーとしての仕事ではなく、生産現場で仕事をすることができますので食いっぱぐれがありません。
白ナンバーのトラックドライバーは、大きく稼ぐことはできないが安定して長期間働く事ができると言えるでしょう。そして様々な業種で活躍しています。


食品加工業

食品加工業は自社で白ナンバートラックを所有している場合が多く、不規則な出荷に合わせることができるようになっています。専属でドライバーとして雇用される場合もあれば、生産現場にいながら時間になったら配送するといったこともあり、変化に富んだ仕事をすることができる業界であるといえます。
食品加工業といっても菓子製造や水産物の加工等多岐にわたるので一概には言えませんが、あまり求人募集はされていない傾向にあります。一般的には生産現場で採用→経験を積んで配送要員となることが多いようです。しかし食品加工業の中には100台規模でトラックを所有している場合がありますのでトラックドライバーとしてのチャンスはないわけではないといえます。
労働条件は企業規模にもよりますが、賃金は20万円前後、年間休日は105日程度という条件が多いようです。賃金に関しては年功序列的な部分がまだまだありますので、年数を重ねた将来的な収入は青ナンバートラックに比べて期待できます。また食品加工業で使用するトラックの大きさは小型〜中型クラスが多いため、比較的安心して運転できます。
安定しながら変化のある仕事をしたい方にはおすすめです。


製造業

製造業は食品加工業と同じく非常に白ナンバーのトラックが多く、特に中小企業で活躍をしています。
製造業は生産現場との兼任という場合もありますが、多くは専任のドライバーとなるようです。その理由は製造業では絶えず製品が大きなロットで生産されているため、元請けの工場と自社との往復を絶えず続けなければならないからです。
専任のドライバーになると毎日決まった場所の往復をする毎日になってしまいますが、製造ラインの従業員と同待遇である場合が多いため、給料やボーナス、年間休日などは比較的高待遇であるといえるでしょう。そして食品加工業と同じく年数を重ねることで収入は多くなっていきますし、将来的には管理職のポジションも目指すことが可能です。
トラックドライバーの求人数は少なめですが突発的に募集があるため、注意してチェックをしておくとよいでしょう。
またトラックの大きさは小型〜大型と幅広く、初心者には少し厳しい場合があります。入社前にきちんと確認をしておくと後のトラブルを回避できます。
安定して稼いでいきたい方には非常におすすめです。

建設業

建設業のトラックドライバー多くは大型のダンプカーです。白ナンバーの大型ダンプに乗務するトラックドライバーは日給制を取っている場合が多く、非常に不安定といわざるをえません。
大規模な道路工事や建設などがある場合は非常に忙しく、日給も高いため稼げるのですが閑散期には仕事がなく収入の少ない時期が続く事もあります。そのためはるか遠方の現場まで数カ月もの間出稼ぎに行くこともあります。
トラックの大きさは大型で運転しづらいと思うかもしれませんが、大型トラックの中では全長が非常に短いシャシーを使用するため初心者でも比較的安心して運転することができます。
あまり環境が良くない印象を持ったかもしれませんが、裏を返すと実は日給制のため即金性が高いことや単価が高いことでいまだに人気が衰えていません。一定の人気はありますがそれ以上に求人数は非常に多く、トラックドライバーを目指す人が企業を選べる状況になっています。売り手市場なので希望の条件に合った会社を見つけやすいかもしれません。
現金を毎日手にしたい方にはおすすめできます。


廃棄物処理業

廃棄物処理業は大まかに説明すると「ゴミを処分する仕事」です。処分する前の過程で廃棄物の収集をすることが主な業務となります。
食品加工業、製造業、建設業ではトラックに乗ることが主な仕事である場合が多かったのに対し、この業種では収集と処理を兼任する場合が多いです。
この仕事の魅力は何と言っても人や地域の役に立っていると実感できることです。誰もやりたがらない仕事を率先することで感謝されるため、モチベーションを高く保つことができます。また場合によっては公務員として雇用されることもあるため、安定感は抜群です。さらに比較的高賃金で待遇は決して悪くありません。世の中からゴミがなくならない限り一生仕事に溢れてしまうことはないといえるでしょう。
しいてデメリットを挙げるとすれば、年間休日日数が少なめであるということです。
社会貢献度が非常に高いため、誰かの役に立ちたい!等の使命感のある方には非常におすすめできます。
トラックの大きさは小型〜中型で、全長は決して長くないので初心者でも安心できるかと思います。


まとめ

白ナンバートラックを使用する様々な業種についてご紹介してきましたがいかがでしたか?まさか白ナンバーのトラックドライバーが存在するなんて、運送業以外にもトラックドライバーになることができるなんてと思った方もいたのではないでしょうか。ご紹介した他にも白ナンバーのトラックは存在しますが、全てに共通して求人数が少ない傾向にあります。その分待遇は比較的良い場合が多いですが、倍率も必然的に高くなってしまい、厳しい状況にあるといえます。気長に待ち続けてチャンスをうかがうのが良いかもしれません。
青ナンバーのトラックドライバーとは働き方が異なってしまいますが、白ナンバーのトラックドライバーの働き方も面白いと思います。色んな仕事ができることが魅力であると思いますので、ぜひ白ナンバーのトラックドライバーへの道もご検討ください。


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